「大食いなのに太れない」
痩せ型の人は少食で太れない事に悩む場合がほとんですが、中には食べているのに太れない事に悩む人もいます。
痩せたい人にとっては羨ましい悩みでしょうが、太りたくてたくさん食べるのに太れないという状況は凄く辛いものです。
でも、たくさん食べれば太ることは間違いないはずなのに、なぜ痩せの大食いは太ることができないのでしょうか?
目次
大食いなのに太れないのはなぜ?
痩せの大食いは、一つの要因でそうなるというより、様々な事が重なって起こることが多いです。
では、何が引き金となり太れないのか、考えられる原因をいくつか紹介します。
血糖値の上がりが遅い
通常の場合は、食事をすると徐々に血糖値が上がっていき、食後1時間ほどでピークを迎えます。
そして、血糖値が上昇することで、脳の満腹中枢が刺激され、満腹感を感じるようになります。
なので、食べ始めてから時間が経てば経つほど、お腹いっぱいになるわけです。
ですが、中には食べても血糖値が上がらず、満腹感を得られない体質の人がいます。
この場合、血糖値の上昇が遅いため、何時間でもたくさん食べ続けることができ、大食いに繋がっています。
そして、血糖値が上がらない事で脂肪を蓄えにくい体質になっていることも考えられます。
通常、食事を取って血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは血糖値の上昇を抑えるのが主な働きですが、余ったエネルギーを脂肪に変えて蓄える働きもあります。
エネルギーが不足した時にその脂肪を使えるように体のあちこちに貯めておくんですね。
このインスリンは血糖値が急激に上昇すればするほど、それを下げようと大量に分泌されるので、血糖値が上がりにくい人はインスリンがあまり分泌されず脂肪を蓄えにくくなります。
血糖値を上昇させるには、炭水化物(糖質)の吸収を高めること。
白米、パンなどの炭水化物が豊富な食べ物は血糖値を急上昇させる物が多いです。
ただし、炭水化物の取り過ぎは糖尿病の原因にもなるため、過度な食べ過ぎはおすすめできません。
腸内環境
太りにくい人はデブ菌が少ない代わりに、痩せ菌が多い傾向があります。
「デブ菌・痩せ菌って何?」という話ですが、それぞれ腸内細菌の一種です。
デブ菌はファーミキューテス
痩せ菌はビフィズス菌、バクテロイデーテス
が当てはまります。
デブ菌が多いと脂肪を溜め込みやすく肥満に。
痩せ菌が多いと脂肪を燃焼する作用が強くなったり、脂肪を体内に取り込まないよう抑制されます。
脂肪がつきにくい体質になってしまうんですね。
そして、人間の腸内はこのデブ菌と痩せ菌のバランスによって、太りやすさが決まります。
大食いタレントの人は痩せ菌の割合が6~7割近くあるそうですね。
じゃあ、「太るためにはデブ菌を増やせば良い」という話ですが、痩せ菌が多いと美肌効果もあるので、必ずしも悪いわけではないです。
むしろ良いものとして扱われる事が多いですね。
褐色脂肪細胞が活発に働く
人間の脂肪細胞は大まかに「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」に分けられます。
「白色脂肪細胞」は体に脂肪を蓄積する大きな細胞です。
ダイエット中の人が毛嫌いするような、いわゆる脂肪の働きをします。
一方で、「褐色脂肪細胞」はエネルギーの消費を促し、脂肪を燃焼する働きがあります。
「白色脂肪細胞」とは真逆の働きをするんですね。
痩せの大食いの人は遺伝などにより、この「褐色脂肪細胞」が活発に働き、食べた物のエネルギーをすぐに消費するので、次から次へと食べることができます。
そして脂肪をどんどん燃焼するので食べた割には太れない状態になります。
では、「白色脂肪細胞を増やせば良いのでは?」という話ですが、幼少~思春期の頃の食生活によって白色脂肪細胞の数はほとんど決まります。
つまり、生まれつき痩せ型で食事量が少なかった人は、細胞を増やしにくいということです。
胃の滞在時間が短い・胃袋が拡大している
大食いタレントの中には、食べ物が胃に留まる時間が圧倒的に短い人がいます。
原因は分かりませんが、普通の人よりもあっという間に胃から十二指腸・小腸へ送られるんですね。
胃は食べ物を消化する器官の一つで、通常は食べ物と胃液が絡まることで、消化は活発に進みます。
ですが、滞在期間が短いという事は、その消化が上手く行われないということです。
消化できない食べ物は体に吸収することができないので、そのまま排泄されてしまいます。
また、大食いを習慣化することで、胃袋の容積が拡大する場合もあります。
つまり、たくさん食べると上半身全体に胃袋がどんどん広がって、通常の何十倍もの大きさになってしまうのです。
この場合は、普通に太れそうな気がするのですが、これでも大食いタレントは太らないです。
この理由については未だに解明されていませんが、
おそらくは尋常ではない食べ物を消化するのに、莫大なエネルギーが使われるためではないかと考えられます。
食べ物の消化・吸収というのは、食事代謝としてエネルギーを消費します。
これを食事誘発性熱産生(DIT)と言い、1日の消費カロリーのおよそ10%がこれに当たるとされています。
なので、大食いの場合は、もしかするとフルマラソンに匹敵するくらい消化でカロリーを消費しているかもしれません。
また、一度に消化できる限界量を超えたために、未消化になって排泄されてしまうことも当然考えられます。
胃下垂
胃下垂とは、胃の下側が通常よりも下がってしまう症状を指します。
ひどい場合は骨盤あたりまで垂れ下がっています。
本来食べ物が胃に入ると、胃は近くの筋肉を収縮させて波打つように動き、食べ物と胃液を混ぜながら消化を始めます。
そして、消化した食べ物を十二指腸へと送ります。
この波を打つような動きを蠕動運動と言います。
しかし、胃下垂で胃が縦に長くなると、この蠕動運動が上手く行われず、消化ができなかったり、食べた物が胃に滞在する時間が長くなります。
そのため、食べている割には栄養を取り込めていない状況に陥ります。
また、消化力がないのにドカ食いすることで、胃が垂れ下がりそのまま消化不良を起こしてしまう事もあります。
胃下垂の原因はお腹周りの脂肪や筋肉がなく、胃を支える力が弱い事が主に考えられます。
大食いという人は脂肪はつきやすいと思うので、腹筋を意識的に鍛えると良いでしょう。
大食いで太るには?
太るために胃下垂を改善することは重要ですが、
「血糖値を急上昇させる」
「白色脂肪細胞を増やす」
「痩せ菌を減らしてデブ菌を増やす」
などの対策は健康を悪くしたり、先天的な要素もあるため改善が難しいです。
これらは体質として受け入れた上で、「消化力を高めて栄養の吸収率を上げる」ことを意識した方が太れやすくなります。
しっかり噛んで消化を助ける
大食いの場合、あまり噛まずに次から次へと飲み込んでしまう人が多いですが、これは消化を悪くする一つの要因で、吸収力を弱めてしまいます。
消化は胃腸が行うものだと思いがちですが、実は口の中に入れた時に消化活動は始まっています。
その役割を担うのがアミラーゼという消化酵素です。
アミラーゼは唾液に多く含まれ、デンプンなどの糖質を分解します。
食べ物が唾液(アミラーゼ)と混ざり合うことで、食べ物を消化しやすい状態になるんですね。
噛めば噛むほど唾液は分泌されるので、粉々に噛み砕いてドロドロにしてから飲み込むようにしましょう。
そうすれば、後の消化活動がスムーズに行われ、栄養を吸収しやすくなります。
酵素を取り入れる
唾液以外にも胃液や膵液など様々な消化液に消化酵素を含まれており、この酵素が食べ物の消化を担っています。
食べ物を消化できないという事は体内の消化酵素の量が少ない事も十分考えられます。
特に太りにくい体質の人は体内の酵素量が少ない傾向にあります。
そこで、体の外から酵素を取り入れるのも一つの手です。
実はあまり食べれていない可能性も
「自分は痩せの大食い」だと思っていても、実は食事量が少ない可能性もあります。
以前の僕もそうだったのですが、勘違いしてしまっているという事ですね。
例えば、体格の良い人と同じ量を同じペースで食べる事ができたとします。
この時、「〇〇って痩せてるのによく食うよな」などと言われて「自分は食べても太れない体質なんだ」と勘違いが生まれます。
しかし、一見大食いに見えるだけで、その後は食欲もわかず、その時と同じくらいの食事量を取れないまま1日が終わります。
そして、気づけば「1日の総カロリーは平均並み」という事はほんとによくあります。
一方で、体格の良い人は食事の度にたくさん食べることができるため、1日の総カロリーでは大きな差が出ます。
ただ、一度にそれだけ食べられるのであれば、1日3食を習慣化さえ出来れば、自然と食事量は増えていくのではないでしょうか。
そしてそれをしっかり消化・吸収できるようにしていきましょう。
まとめ
今回は痩せの大食いの人が太れない理由と太るための方法について紹介しました。
大食いなのに太れない場合、
- 血糖値の上がりが遅く脂肪を蓄えにくい
- ビフィズス菌やバクテロイデーテスなどのヤセ菌が多い
- 褐色脂肪細胞が活発に働き脂肪を燃焼する
- 胃の滞在時間が短かったり、体質的に胃袋が広がりやすい
- 胃下垂で蠕動運動が低下し、食べ物を消化にしにくい
などが原因として挙げられます。
ただ、血糖値を急激に上昇させるのは健康面にデメリットがあり、脂肪細胞の数は先天的な要因が大きいです。
そこで、消化活動をスムーズにするためにしっかり咀嚼したり、酵素を取り入れて消化吸収率を高めることが大切になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
脂肪細胞が少ない痩せ型の人は脂肪だけで太るとお腹ぽっこりになりやすいですし、筋肉をつけた方が外見上の変化が出やすいので、ガリガリ体型の印象を払拭しやすくなります。
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