糖尿病というと痩せ型の人にとっては程遠いイメージを持っている方も多いと思います。
たしかに甘いものを食べ過ぎる肥満体型の方が発症する病気というイメージは根強いでしょう。
しかし、日本人の糖尿病患者の平均BMI(肥満度の指標)は意外なことに正常だそうです。
つまり痩せ型の人でも糖尿病にかかるリスクは十分あるのです。
今回は痩せ型が糖尿病になる原因と症状や改善方法について紹介したいと思います。
目次
痩せ型が糖尿病になる原因は?
糖尿病は血糖値が異常なまでに高くなる状態(高血糖)が続くことで起きる病気。
血糖とはブドウ糖のことで炭水化物(米・パン・麺など)やイモ類、ぶどう、バナナ、お菓子などに含まれています。
血液中のブドウ糖のことを血糖というのですね。
本来血糖は一定の濃度で保たれているようになっています。
その役割を担うのがすい臓から作られるインスリン。
インスリンが分泌されると血液中のブドウ糖を細胞に取り入れようとしてくれます。
このおかげで臓器はブドウ糖をエネルギーとして利用したり、蓄えたりすることができます。
血糖値のコントロールにも繋がります。
一方、インスリンが不足すると血糖を処理できなくなり血糖値が上がってしまいます。
糖尿病の人はインスリンが不足していたり、働きが弱まって高血糖の状態が続いていると言えます。
なぜ、インスリンが不足するのか。
主な理由としては「暴飲暴食」「運動不足」が考えられます。
インスリンが不足する原因① 暴飲暴食
暴飲暴食で過剰なまでに糖質を摂取するとその分、インスリンも過剰に分泌されてコントロールしようとします。
この状態が慢性化してしまうとすい臓が疲れ切ってしまい、いつの間にかインスリンの分泌量が低下してしまいます。
しかし、糖分はどんどん入ってくるので高血糖になるわけです。
例えばジュースの飲み過ぎも血糖値を高める原因になります。
ペットボトルの炭酸飲料などは大量の糖分が含まれています。
缶やペットボトル1本飲んだだけで1日の糖分摂取量を軽く超えてきます。
高血糖だと喉が渇くとよく言いますが毎日ジュースを飲む方は
喉が渇いてジュースを飲む→高血糖でまた喉が渇く→ジュースを飲む
という負の連鎖に陥っている可能性が高いです。
ジュースは自販機やコンビニで手軽に手に入る分、毎日大量に飲む方も多いのではないでしょうか。
また近年は食生活が欧米化してきています。
欧米の食べ物はカロリーが高く脂肪が溜まりやすいです。
また我々日本人は欧米人と比較してインスリンの分泌量が少ないので血糖の処理が追いつかない状態になりやすいです。
そのため常に血糖値が高い状態ですい臓への負担は大きくなりインスリンの分泌量が更に減ってしまいます。
インスリンが不足する原因② 運動不足
運動はブドウ糖の消費を促進し血糖値を下げる効果があります。
具体的には運動することで血液中の余ったブドウ糖が細胞に取り込まれやすくなるので血糖値が下がります。
また日常的に運動を行うことでインスリンが働きやすくなり血糖値をコントロールできます。
一方、慢性的な運動不足は血糖値が上がりやすかったり、インスリンの機能低下を招くので糖尿病を招きやすいです。
また運動不足は合併症を起こしやすくもなります。
痩せ型の人は異所性脂肪が増えやすい
この他に痩せ型の人の場合、「異所性脂肪」が溜まりやすいという特徴があります。
「異所性脂肪」は皮下脂肪、内臓脂肪に次ぐ第三の脂肪とも呼ばれています。
皮下脂肪と内臓脂肪は脂肪細胞が大きくなったもの。
脂肪が多すぎるのよくないですが、本来あるべき場所に蓄えられているという点においては問題ないです。
一方、「異所性脂肪」とは肝臓や心臓、筋肉などの臓器に蓄えられた脂肪のこと。
本来脂肪があるべきところではないところに蓄えられるので非常に厄介です。
「異所性脂肪」が痩せ型の人に溜まりやすい原因として皮下や内蔵で貯めておける脂肪の貯蓄量が低いことが挙げられます。
この貯蓄量を超えた時に異所性脂肪として本来あるべき所ではないところについてしまいます。
少量であれば良いのですが、溜まりすぎると糖尿病の原因にもなります。
また「異所性脂肪」が溜まりやすい特徴として高脂肪の食べ物を好んで食べている傾向があります。
特にお肉や洋菓子(チョコ・ケーキなど)など「動物性脂肪」の食べ物を毎日摂りすぎている人は異所性脂肪が溜まりやすいです。
症状
次に糖尿病の主な症状を紹介したいと思います。
- 喉が異常に渇きやすく尿の量が多い
- 食事量も変わらず、運動もしていないのに急激に痩せた
- 立ちくらみがひどい
- 手足の痺れや冷えがひどい
- 体がだるく疲れやすい
とは言っても症状が分かりにくい部分も多いので心配な方は診察を受けることをおすすめします。
特に健康診断などで血糖値が高めと言われた人は診察に行った方が無難です。
⇒痩せすぎで太りたい人は病院の何科に行くべき?タイプ別で紹介!
予防方法
糖尿病を予防するにはやはり運動とバランスの良い食事です。
上述した通り運動は血糖値を下げインスリンの働きもよくしてくれます。
また異所性脂肪はすぐに増える反面、数時間運動すればすぐに減少します。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を1日30分~60分程度やると効果的です。
まとまった運動時間を取ることができない人でも「家から駅、駅から職場まで歩く」など隙間時間にできることを見つけていきましょう。
またバランスの良い食事も大切。
高脂肪なものばかりを食べるのではなく野菜や魚もしっかり取るようにしましょう。
ちなみに「ブドウ糖が糖尿病になる原因なら摂取しなかったら良くない?」と疑問に思う方もいたかもしれません。
もちろん糖尿病寸前もしくは発症すれば食事制限は大切ですが、本来ブドウ糖は人間にとって重要なエネルギー源で無くてはならない存在。
そもそもブドウ糖が不足すると今度は「低血糖症」になります。
低血糖症になるとやる気が起きない、精神的に不安定、脳の働きが悪くなったりします。
特に脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源とも言われており、ブドウ糖が不足すると集中力・思考力の低下を招き、無意識のうちにぼーっとしやすくなります。
あと太りたい人は炭水化物を取ることが重要でこれを抜きにして太ることは難しいです。
なので、運動不足解消、バランスの良い食事を取ることが糖尿病予防に繋がります。
まとめ
誰にでも糖尿病になるリスクはあり、糖尿病=肥満という常識は捨てる必要があります。
日頃から生活習慣に気を使って予防していきましょう。
太らない体質の原因をまとめた記事を作りました。
日頃の生活習慣が太れない体質を作っているかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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