若い人の痩せは見た目に焦点を当てられることが多いですが、
高齢者の痩せは健康上のリスクにも関わってくるのでより深刻な悩みです。
食文化が進み栄養のある食品が多い中、どうして痩せてしまうのでしょうか?
今回は高齢者が痩せる原因と痩せすぎのリスクについて書きたいと思います。
高齢者が痩せる原因
高齢者が痩せるのは単純に食事量が減ることが原因である場合が多いです。
摂取するカロリーが減れば当然栄養が不足して痩せやすくなります。
食事量が減る要因としては以下のものがあります。
一人暮らし
近年、一人暮らしのシニア世代は増加傾向にあります。
今までは家族の健康を考えて料理していた人は一人暮らしになったことで食事を作るのが面倒に感じやすくなります。
そのため、今までよりも品数が減ったり、食事を抜くことが増え、栄養が偏りやすいです。
男性の場合は、これまで奥さんに料理を頼んでいた分、外食や欠食が増えて栄養が偏りやすい状態になります。
加齢による機能低下
加齢で歯が欠けたり、顎の筋力が弱まることで咀嚼力が低下します。
噛みごたえのある食べ物や固い食べ物を食べるのが難しくなります。
更に唾液の分泌量も減ります。
唾液の分泌量が減ることで口の中が乾燥して口内炎や歯周病が症状が出やすいです。
こうなるとますます食欲不振になってしまいます。
こういった状態が続くと食べることが億劫になり食事量が低下しやすくなります。
そして胃腸の消化機能も加齢で低下します。
昔はたくさん食べれていた焼肉も少し食べただけで胃もたれを起こしてしまうという経験はあると思います。
これは胃液の分泌量が減り消化機能が弱まっているから起きることです。
消化機能が弱まるということは食べ物を分解して体内に栄養として吸収しにくいことを意味します。
こうなると食べても食べても太れないという状態に陥ります。
このように食べ物を体内に取り入れる能力や栄養として吸収する力が弱まることが痩せる原因に繋がります。
ストレス
ストレスなど精神的な要因も食事量に影響を与えます。
ストレスを抱えると胃腸の働きを抑制したり、食欲不振になります。
また高齢者のうつ病は非常に多いです。
うつ病の原因
- 定年退職して特にやることがない
- 子供の自立
- 気力の衰え
- 家族や友人と会う機会が少ない(孤独感)
- 健康への不安
などがあります。
こういった要因でうつに近い状態になることで食事への関心もなくなり、食事量が減りやすくなります。
痩せすぎのリスク
食事量が低下し、低栄養状態になると健康上大きなリスクを伴います。
低栄養状態になると、
- 元気が出ない
- 骨、筋肉量、体脂肪の低下
- 内臓など器官の衰え
- 免疫力の低下
- 風邪、病気が治りにくい
などの症状が起こりやすくなります。
こうなると体力がどんどん衰えるので日々の活動量が減り、食欲が更に低下して低栄養が酷くなるという悪循環に陥ってしまいます。
その結果、寝たきりになってしまうこともあります。
また低栄養状態は認知機能の低下も招きます。
これは食事量が低下し、脳のエネルギー源になるブドウ糖が不足するためです。
脳がエネルギー不足になることで認知症を引き起こしやすくなります。
栄養バランスの良い食事を心掛けた上でブドウ糖の元になる炭水化物(ご飯・パンなど)をしっかり摂取したいところです。
この他にも、アメリカの研究データでは痩せすぎの高齢者は生存率が低くなるというデータもあります。
ちなみに急激な体重減少はガンや糖尿病など病気の疑いもあります。
食事量は多いのに体重が減ってしまう場合は一度病院で検査してもらったほうが良いと思います。
まとめ
痩せる原因
「一人暮らし」「体の機能低下」「ストレス」などがきっかけで食事量が減ったり、栄養が偏ってしまう
痩せすぎのリスク
低栄養状態による「寝たきり」「認知機能低下」「生存率の低下」など
高齢者の痩せは健康面でのリスクが大きいです。
まずは1日3食栄養バランスの良い食事を取ることから始めると良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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